議論に時間的制約の苦しさ 残る検討課題は全政党で議論を

ー日本維新の会とも今国会での旧文通費の扱いをめぐり認識に齟齬があった。もう少しこういう議論のやり方をした方がよかったなど反省点はあるか

日本維新の会もですけれど、全体像として国会の中で議論した結果修正ということになると、結構、時間的に余裕がないわけですよね。
もちろん反省の1つとしては、もっと事前から他の政党の皆さんと議論をして、一定の方向性、結論を得るということがあれば良かったわけですけども。
国会の審議の中で決まったものですから、それこそ1日2日で方向性を定めなくてはいけなかった。
そういった意味で、まず中身について議論できなかった、詰めた方向性を出せなかったというのは1つなんですけど、もう1つは短時間で合意をされていますので、中身についてどこまで(詰める)という認識の共有を図ることがいまいち進まなかったのかもしれません。

日本維新の会については、旧文通費について今国会でするかどうかということだったんですが、おおよそ(残りの会期が)1週間か2週間で、しかも今回対象としていた法律とは違う法律(歳費法)なので、そこはちょっと常識感としては絶対ないわけで、メディアの皆さんもさすがに今国会でとは思っていなかったという話をよく聞きますけども、という前提の認識の違いもあったのだと思います。

ー全党で、今国会中に規正法を改正することは意識共有としてあった。時間に追われる中で法改正をしなければならなかったという前提については正しかったと感じるか

われわれとしてはまず絶対やらないといけないと思っているのは冒頭申し上げた、この法律の2つのパートの再発防止というのと、透明性の向上という部分のうち、再発防止はきっちりとやらせていただくと。
われわれにとってもこういう事件、組織人として私としては国民の皆さんに本当に申し訳ないと思うと同時に、個人としては誠に遺憾であると。もう二度とこういうことを起こしてほしくないと。
われわれも結構マイナスくらいますから、絶対起こさない、起こさせないんだという意識でかなり真剣に取り組んだものです。

一方で透明性の向上の部分は、与野党の協議を通じて議論されなければならない問題だと認識していました。

というのは収入の構造も、それぞれの政党観も違うので。例えば機関紙発行で政治資金のベースとしている政党もございますけれども、例えば新聞1部3000円だとすると、2部お買い上げいただいて、年間通じておよそ5万円を超えてくるわけです。
この部分は全く何も具体的な制度がないわけです。
これまで問題が起きなかった、顕在化しなかったからなわけですけれども、一体どのように処理されているのか、いまいち不透明なんです。

そういったものも含めて、本当に適正な、日本の民主主義として各政党が持っている政治力というのがバランスを持って適正に発揮されるようにしなてはいけないというのが、私の意識でした。自民党こうしたい、ああしたいというだけでは、民主主義としてのバランスは欠いてしまうと思い、全政党が議論するべきだと思っていたので、やっぱり時間的に苦しさがあった。

逆に言えば透明性の向上の部分は検討課題として確実にやらせていただくということを明記しましたが、「検討だと不十分だ」という意見を相当いただきました。
ただこれは本当に国民の皆さんが政治をどうお支えいただくかという部分に関わる問題なので、そういった形にさせていただきました。