顔や両手にやけどを負った少年を治療するのは北海道の医師です。
パレスチナで医療支援を続ける北海道の団体が現地に行きました。
ガザ地区で戦闘の激しさが増す一方、ヨルダン川西岸でも、第二の戦争が始まっているといわれています。【英語版はこちら】
北海道パレスチナ医療奉仕団 猫塚義夫団長
「(実際来週行くということで、気持ちの方はどうですか?)ちょっとやっぱり緊張してきましてね。夜に夢を見たり、現地での起きていることが夢に出てきたり」
札幌市の病院の整形外科医をしている猫塚義夫さん。
団長を務める「北海道パレスチナ医療奉仕団」は、10年以上にわたり、現地で医療支援活動を行ってきました。
イスラム組織ハマスの奇襲攻撃などによって始まった今回の戦闘。
2023年10月7日以降、ガザ地区の死者は3万5000人以上にのぼり、瓦礫に埋もれたままの遺体は1万人以上といいます。
ガザ地区での支援は難しいため、猫塚さんらはパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で支援することを決めました。
猫塚さんのもとに全国から寄せられた平和を祈る、折り紙。医薬品とともにパレスチナの人たちに届けます。
北海道パレスチナ医療奉仕団
「行ってきます」
札幌市から、約9000キロ離れたイスラエルのベン・グリオン空港。
通路には人質となったイスラエル市民の顔写真が並んでいました。
北海道パレスチナ医療奉仕団 猫塚義夫団長
「人質になっている人が顔を写しています」
ヨルダン川西岸に着くと、イスラエルとの間が分離壁で囲まれていました。
北海道パレスチナ医療奉仕団 猫塚義夫団長
「ここが分離壁です」
壁には平和や戦闘停止を願う言葉が…。
北海道パレスチナ医療奉仕団 猫塚義夫団長
「(ヨルダン川西岸は)10月7日以降、500人近くがイスラエル軍と入植者により殺されている。入植地を広げようとして、パレスチナ人の家を壊したり、火をつけたりして燃やす。それに抗議すると撃たれます」
ヨルダン川西岸では、イスラエルの入植者による暴力などで、パレスチナ人の死者は500人を超えるといいます。
猫塚さんはここで、約1週間にわたり、4か所の難民キャンプで、180人を診療しました。
現地では手術が必要な重傷患者も多く、今後の治療のための紹介状などの作成に追われました。
北海道パレスチナ医療奉仕団 猫塚義夫団長
「A4ぐらいの手書きのレポートですが、きっちりと折り大事にして帰っていく人が多かった。それを見ていると、いい加減にはできないと」
検問所が増え、街はイスラエル軍により厳しく監視されていました。
北海道パレスチナ医療奉仕団 猫塚義夫団長
「夕方になってくると早く終わってくれと。『どうして?』と聞くと、暗くなるとイスラエル兵が難民キャンプに押し寄せてくる」
ナブルスで支援していた13日の夜、難民キャンプにはイスラエル兵が侵入し、6人のパレスチナ人が殺害されました。
北海道パレスチナ医療奉仕団 猫塚義夫団長
「日が暮れてから帰っていたら巻き込まれたかもしれない」
16日に帰国し、現地の悲惨な状況を語りました。
北海道パレスチナ医療奉仕団 猫塚義夫団長
「元気がないですね。押し付けられてる感じ。経済的な状況が落ち込んでるし、それから軍事的にも外に出るとやられる」
子どもたちにも異変があったといいます。
北海道パレスチナ医療奉仕団 猫塚義夫団長
「難民キャンプの子供が家から出たがらない状況。今まで不登校の方が5%、今だと20%が家から出てこない」
13日、猫塚さんがエルサレムに到着する前の日にある衝突が起きていました。
イスラエルの入植者が、パレスチナ人を銃撃し、現場は騒然となりました。
北海道パレスチナ医療奉仕団 猫塚義夫団長
「繁華街とか観光地に、自動小銃をぶら下げた2人の入植者が、闊歩していること自体見たことない。思っていたよりイスラエル軍によって、パレスチナの人たちが抑圧されている。声を上げることができない。抗議するとすぐ逮捕されてしまう。8か月間で1万人ぐらい」
若者を中心に世界で高まる停戦を求める声。
北海道大学でも、支援の輪が広がっていました。
芝生にシートを広げている学生たち。ピクニックと呼んで、平日の昼休みにパレスチナ問題について話し合っています。
北海道大学4年生
「ピクニックにすることにより、参加するハードルは多分下がっている。ちょっと複雑な問題もあるので、周りの人とディスカッションしながら自分の考えを深めてほしいです」
ほかの学生に少しでも興味を持ってほしいと、ガザ地区の悲惨な写真や手作りのポスターを並べていました。
北海道大学4年生
「 関心がある人はまだ少なくて、もっと関心を持ってほしい」
若者もアクションを起こす北海道。
猫塚さんらは、10月に再びヨルダン川西岸を訪れ、支援を行う予定です。
全国から寄せられた折り紙は、現地の子どもたちに渡されて喜んでいたということです。しかし、猫塚医師は、子どもたちの精神状態が心配だとも話しています。
猫塚医師によりますと、パレスチナ人は、平和な日本人を信頼しているので、支援に行くと非常に喜んでもらえるということです。
日本人が発するメッセージには、特別な意味があるとも話しています。
また、ヨルダン川西岸の医療体制は十分ではなく、大きいけがをしたときは、イスラエル側に行く必要があるため、襲われるかもしれないという恐怖もある状況だということです。
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