“平和なときに戦争は準備される” 裏付けた31年前の軍事演習

瀬名波榮喜さん
「沖縄戦前夜そのものだと思うんですよ。民間の飛行場を使えるようにするとか、あるいは民の土地を自由に使えるようにするとか、そういうやり方も戦争直前そのものですよ。戦争するときは、みんないいことを言うんですよ。東洋平和のためならばとなったらね、誰が反対しますか。もうノーと言えない状態に追い込んでしまうんですよ」

翁長安子さん
「始まったら絶対に止まりません。こっちが1発を撃ったらあっちから100発返る。これ本音なんですよ。だから絶対に戦争が始まったら、もう、収まらない」

與座章健さん
「バカげていて正気の沙汰と思えん。戦争の愚かさ、馬鹿さ加減というか、僕ら経験したからわかるんでしょうね。そうでなければわからないかね」

書家でもある儀間さんは、自らが記したメッセージを街頭で掲げる。

儀間昭男さん
「沖縄の方言でぴったりここに合うのは、こういう言葉だと思ってる。基地は抑止力のために造るという。沖縄の方言で『よくし(抑止)』は『ゆくし』と発音。これは『うそ』という意味」

沖縄国際大学の石原昌家名誉教授が最も印象深かったという証言者がいる。又吉栄長さん。1989年5月に聞き取った声だ。

又吉栄長さんの証言テープより
「昭和の初め、班長室に呼ばれいろいろな指示を受けておるとき、小さな本に目が留まりました。大きな字で『もし日米戦わば』と書かれてある本でした。日本の軍隊は米国とも戦争するくらいの強い軍隊だな、帝国軍人の一員として自分も偉くなったようないい気持ちになっておりました。それから13年後、日米戦争が始まったのです。13年前のあの小さな本が私の頭に浮かんできました。戦争はずっと以前に平和のときから計画されているものだなと感じました」

実は、沖縄戦の31年前。ある軍事演習が行われていた。

1914年1月の新聞が報じているのは、まるで沖縄戦を想定していたかのようなシナリオだ。仮想敵が首里の軍司令部を目指して進軍し、それを学生隊の力を借りて迎撃していた。

「平和なときに戦争は準備される」。それを裏付けたのが、沖縄戦だった。