8月13日、静岡県静岡市中心街の飲食店で発生し、消防隊員1人が行方不明になっている火事を受け、15日も現場では実況見分が行われました。専門家は今回の消火活動の問題点を指摘しています。

13日夜、静岡市葵区呉服町の飲食店から出火し、焼け跡から遺体が見つかった火事を受け、15日も現場では実況見分が行われました。

この火事をめぐっては、消火にあたっていた静岡市消防局・駿河消防署に所属する男性隊員(37)と連絡が取れなくなっています。

14日に会見を開いた静岡市消防局によりますと、男性隊員ら隊員3人は火元確認のため、ビル3階の探索を開始。通常、探索時にはロープで隊員同士を結びますが、「視界が確保できるなど活動条件が整っていたため」、ロープを使わずにホースを目印にして探索したということです。

<静岡市消防局伴野泰造警防部長>
Q:鎮火活動における不備は現時点ではなかった?
「はい、その通りでございます」

元東京消防庁麻布消防署長の坂口隆夫さんは静岡市消防局の見解とは異なり「消火活動に問題はあった」と指摘します。

<元東京消防庁麻布消防署長坂口隆夫さん>
「延焼中の建物に進入する場合、ホースだけをつたって中に入る、あるいはホースをつたって避難することは稀です。やはり基本は命綱をつけて3人の隊員が屋内進入するべき」

静岡市消防局では、2020年年7月に吉田町で起きた工場火災で、消火活動にあたっていた消防隊員3人が死亡しています。

<井手春希キャスター>
Q組織的な課題は?
<元東京消防庁麻布消防署坂口隆夫さん>
「2年前の教訓が生かされていたのかな?と感じた。延焼中の建物の中に、逃げ遅れ者がいないことが確認できたあとに、屋内進入したことは判断としてよかったのか、しっかりと検証する必要がある」

逃げ遅れ者がいない事を把握した上で実施された火元の確認。本当に消火活動に問題はなかったのか?検証が求められます。