「ことを荒立てるな」ナイジェリア軍元兵士の証言

ナイジェリア軍元兵士
「私が小さい時のデルタ地帯は本当に豊かだった。あらゆる生物がいた。それらもほとんど根絶やしにされてしまった」

匿名を条件で証言してくれたのは、十数年前、ナイジェリア軍の兵士をしていたデルタ地帯出身の男性です。

ナイジェリア軍元兵士
「この目で目撃しているんだ。巨大なタンカーが、識別信号を切ってナイジェリアの沿岸に入ってくるんだ。登録もされていない。こうして盗まれた原油は正規のマーケットに流れない誰かがタンカーを招き入れているんだ。あの巨大な船に乗った莫大な富は、何十億円にもなるだろう」

――小さな運搬船ではない?
「違う、違う。サッカー場を何個も繋げたような大きさだ。レーダーもある。沿岸警備隊もいる。海だけでなく空からも監視しているはずだ。だが、なぜか、こうした巨大な船は沿岸に近づいて、原油を積むことができる」

私たちがジャングルの奥で目撃した、粗末な精製施設。それとは比べ物にならない規模の原油が、治安当局の監視をくぐり抜けて「盗まれている」現実。

ナイジェリア軍元兵士
「私たちは、巨大なドラゴンを相手に、針一本で戦おうとしている。だから、言葉を選ばないととても危険だ。私はある沿岸警備の船に乗っていた。巨大な船がレーダーに映ったので、上司に確認したんだ。『登録されていない船が入ってきた。何が起きているんだ?』って。そうしたら、『それはお前には関係の無いことだ』と言われた。上官たちは明らかにこの巨大な船の事を知っていた。そのうえで、船を見なかったことにしようとしていた」

「例えば、イギリスのような先進国だって、政府が口利きをしたり、政府と繋がりのある企業が甘い汁をすったりしているだろう。だから世界でナイジェリアだけが腐敗しているわけじゃない。でもその規模は、とてつもなく巨大だ。そして言えることは一つ。『ことを荒立てるな』