疎開命じた軍人は責任回避「(住民は)勢いで軍人と一緒に行動を共に」



▽電話取材 山下虎雄こと酒井喜代輔氏(1992年当時)
「当時の旅団長の命令もあったし、各島に対して疎開して身の安全を守ろうと。軍官民一致でね、とにかく敵に向かってさ、玉砕するというような時代でしたからね。(住民は)まぁ勢いで軍人と一緒に行動を共にしてしまうんじゃないすか?」

▽佐事昇さん(91)
「山下が悪いわけ。いらんこと言って。わからん、なんで波照間住民をあんなに苦しめたのか」

波照間空港は現在、有事に備えて自衛隊などが円滑に使えるように整備する「特定利用空港」の候補に挙がっています。

波照間島に慰霊碑を建立した期成会の内原会長は、軍備増強が進む現状に警鐘を鳴らしています。

▽慰霊之碑建立期成会・内原勲会長(76)
「どんなに軍備増強しても、どんなに武器を作っても、僕は戦いでは平和にはならないと思う。飛行場がもし軍事関係に実用されるなら、むしろ要らない」

▽佐事昇さん(91)
「自衛隊はいない方が良い。自衛隊のいるところで戦の準備をして。今の若い人は戦争をやったことがないから、ああいう怖さもわからない」

かつて、軍命によって多くの住民が犠牲となった波照間島。体験者が語る史実が刻まれた慰霊碑は、有事への備えが進められる島々を、静かに見つめています。(竹内伊吹)