農水省“話し合い”求めるも「開門をしない前提で」

最高裁が「開門は不要」という姿勢を示した2023年3月、当時の農水大臣はこう述べた。

野村哲郎 農林水産大臣(当時)
「有明海の未来を見据えた『話し合い』を行い、『合意』した有明海再生の方策を、『協働』として実施していくべきです。これを契機にして、お互い『話し合い』を賛成派・反対派とも話し合いを進めて、豊かな海を取り戻していただきたい」

しかし、「話し合い」を求めながら、農水省はそれに「開門をしない前提で」と条件をつけてきた。

農水省経営体育成基盤整備推進室 渡辺一行 室長(2024年6月1日)
「開門するということは選択肢として考えられない。我々としては開門請求権というものは放棄していただきたい」

漁業者の失望は大きい。

佐賀・太良町の漁師 平方宣清さん
「この海の再生をしようという考えは、一向に持っていないんじゃないかな。とにかく早くこの諫早湾問題を、金で解決して終わらせたいという逃げの一途じゃないかなというふうに思っています。
地域には地域の生活をする基盤がちゃんとあって、そこで今まで地域が発展してきたのを、その源を国が潰していったら、国民が潤うわけがないし、国民が潤わなかったら、国が栄えるわけないんですよ。真逆の行政をやっている。本当に怒りを覚えます」