
このあと、訪れたのは太宰が3年間下宿した「太宰治のまなびの家」です。
下宿先で太宰の部屋は2階にある6畳間でした。当時、この部屋でくつろぐ姿が写真に残されています。憧れていた文豪・芥川龍之介を意識し指をあごにあてるポーズをとったものもあります。

ただ、太宰の生活は次第に乱れていき、高校3年生の12月、20歳で初めての自殺未遂を起こしていました。

弘前ペンクラブ 瀬川紀雄さん
「数学の試験を受けたくなくて、結局受けなかったんですが、全て忘れようとしたんでしょうね。睡眠薬を多量に飲んで昏睡状態になります」

このほかにも、部屋には太宰が書いたとされる数式の落書きも残されています。ツアーに参加した人は、学生時代から芸者遊びを始めて、青森市にも足しげく通ったことなどを教わりながら、太宰の多感な青春時代が色濃く残った空間をじっくりと見ていました。