■「金丸さんが受け入れたということで文さんが本当にメシアかも、って変わったんです。」
過去、教団が信者と献金を劇的に増やしたきっかけがある。そこにも政府自民党の議員の存在があった。1992年3月。文鮮明氏が、夫人・韓鶴子氏を伴い成田空港に降り立った。アメリカで実刑判決を受けていた文鮮明氏は日本の入国禁止対象だった。だが、自民党のある大物議員の働きかけで入国が許可された。このことは信者たちの間でも話題になったという。
元日本人信者の証言
「教会内では『金丸さんがメシア(救世主)の文さんを受け入れたんだ』と」
金丸さんとは、当時キングメーカーと称されていた自民党副総裁、金丸信氏に他ならない。文さんは、もちろん文鮮明氏だ。文氏は入国後、中曽根元総理と会談するなどし、信者に向けては「私が日本に入れなかったら日本はエバ国をはく奪されるところだった」と語ったという。そして日本入国を果たしてから5か月後、文氏は「私と妻の韓鶴子女史は人類の真の父母であり、救世主・再臨主でありメシアであると宣布します」と宣言した。信者たちは思った・・・。
元日本人信者の証言
「この出来事(日本への入国許可)の前までは私も半信半疑だったんですが、金丸さんが受け入れたということで文さんが本当にメシアかも、って変わったんです。」
この1992年、日本のキングメーカーがオーソライズしたという形になり、当時の統一教会は日本人信者と献金額を大幅に増やした。その象徴として1989年1275組だった“合同結婚式”が、この年、3万組に急増している。日本の芸能人も参加したことで当時話題となった。

結果的に文氏に日本は利用された形なった日本への入国許可。しかし文氏は、日本への入国に関し、こんなことを言っていた。
「天皇がやってきてひざまずいてひれ伏して慟哭するまでは私はいつまでたっても(日本に)行ってなんかあげませんよ」
彼の日本観がよく表されている。こんな人物を特別に入国させたのである。
