市に寄付する『動機』は?

 さらに、争点は筆跡だけに限りません。「野崎さんが田辺市に寄付をする動機」についても主張が異なっています。

 親族側の主張はこのような内容です。

 「居住していたにすぎない地方公共団体である田辺市に、全財産を寄付するという、いかにも唐突かつ荒唐無稽な内容のものである。全財産を田辺市に遺贈しようとする合理的な動機は見当たらない」などと主張しています。

 一方、田辺市側の主張は。

 野崎さんは「生前、複数回にわたり財産を寄付していた。田辺市長(当時)を訪ね 、『市の福祉行政面に使ってほしい』『今後毎年続けたい』と語っている」として、生前から田辺市に寄付するという意思を示していたと主張しています。

 さらに田辺市側は、生前の野崎さんは、兄弟について知人に宛てた文書の中で、「今は、財産問題ですごくもめております。(中略)財産を譲るつもりはまったく有りません」などと記載し、兄弟に遺産を譲る意思はなかったとも主張しています。