県の担当職員は初の監督業務…周りの職員フォローせず

 途中段階で確認をしていれば未然に防げたかもしれない今回の施工不良、調査報告書で、県側の組織体制の不備についても言及が及びました。県の担当職員は今回のトンネル工事が初めての監督業務だったということです。本来、経験豊富な職員によるフォローが必要な状況でしたが、十分な体制がとられていなかったということです。工事途中での『段階確認』も136回中6回しかできておらず、「検査の際に施工業者からの連絡があるのが基本だが、その連絡がなかった。連絡が少ないことに組織として認識ができていなかった」ということです。

 今回の施工不良は施工業者側のずさんな実態が引き起こしたことは言うまでもありませんが、和歌山県は再発防止策として、工事の途中段階で県の監督員が確認する「段階確認」が確実に行われるよう、全工事の着手前に施工業者との打ち合わせで記録し、双方で申し合わせをしたうえで、上司に決裁をするような組織体制を強化していくとしています。