過呼吸の女性…悩みに寄り添い話を聞く

 午後1時半、4度目の出動は過呼吸の70代の女性。田中さんは落ち着かせるためにゆっくりと話しかけます。

 (田中さん)「今も頭痛いですか?」
   (女性)「痛い」
 (田中さん)「どの辺が痛いです?」
   (女性)「ここからここ。手がしびれている」
 (田中さん)「息を早くするとしびれてきますから。とりあえず息を整えたら、このしびれは改善しますからね」

 話を聞いていくと、その原因は夫の介護にあるようです。ここで田中さん、女性の悩みにも寄り添います。

 (田中さん)「旦那さんなんですけどね、認知症も強いって言っていましたよね」
   (女性)「デイサービス行く日に『俺がおったらあかんのや』って。なんぼ話してもわかってもらえない。救急隊の人がいたら落ち着くんです。精神的なものやと思うんですけど」

 少しずつ症状も緩和していきました。しっかりと話を聞くことは救急救命士の重要な仕事の1つです。

 (尼崎市北消防署・救急担当係長 田中正俊さん)
 「本人さんにとって楽になっていただきたいので、お話を伺いながら搬送させていただいた」