“極右が常態になった”

去年12月のフランスの世論調査では“国民連合は危険ではない”と答えた人(45%)が“危険である”と答えた人(41%)を上回った。
日本で極右と言えば、極端な愛国主義、国粋主義、ファシズムのイメージだが、フランスではそれが危険ではないと思う人が主流になりつつあるようだ。
そもそも極右の定義とは何か…。ヨーロッパ政治に詳しい東野教授に聞いた。

筑波大学 東野篤子 教授
「あえて極右という言葉を使うなら、テキストの80%で生活を守るとか(ソフトな政策)であったとしても残る20%にうまくイスラム排斥、移民排斥とかが入ってるのであれば“それは危険”でヨーロッパでは排除すべき思想なんです。定義の問題ではなく“極右”というネガティブな言葉を使い続けることで、こうした排斥主義的な人がいますよっていう注意喚起をしている…」

つまりフランス人が“極右”を望んでいるのではなく、排斥主義的思想が広まらないように国民連合などに“極右”というレッテルを貼っているということで有権者にその言葉が届いているわけではないようだ。

筑波大学 東野篤子 教授
「マリーヌ・ルペンのお父さん(国民連合初代党首)の頃とはだいぶ洗練されてきて、いいじゃない、大丈夫じゃないと思わせるような極右が今の極右」

選挙の度に“極右の台頭”と言われ続けているうちに“極右が常態になった”のかもしれない。ニュース解説の堤氏は言う

国際情報誌『フォーサイト』元編集長 堤信輔氏
「今の極右はポピュリズムなんです。分かりやすく言えば人々の耳に聞こえのいいことを言ってちょっとだけ反移民とか混ぜ込んでいく。(中略)根底にあるのは自国第一、そこはトランプ氏に似てる」