13日、報道公開されたのは、安全対策工事が行われた女川原発の構内や2号機の原子炉建屋内のあわせて10か所の設備です。2号機の再稼働に向けた安全対策工事は2013年5月から始まり、2024年5月27日に完了しています。このうち防潮壁は、津波発生時に防潮堤の下を通る取水路などから湧き上がる海水が敷地内に流れ込むのを防ぎます。

また、ポンプ車は原子炉建屋内の冷却機能が喪失した場合に貯水槽から送水するためものです。この貯水槽やポンプ車、それに大規模な原子力災害が発生した場合に対策本部を設ける建屋などは海抜60m以上の高台に設置されています。
小野寺穂実記者:
「想定される最大クラスの津波に備えて、海抜29メートルの高さ、総延長800メートルの防潮堤が建築されました」

原発の海側の防潮堤は、運転開始当初のおよそ2倍にあたる海抜29m高さに長さ800mに渡って設置されました。また、2号機の原子炉建屋内についても壁や屋根、配管を支える設備などおよそ9000か所の耐震補強工事を行ったということです。
東北電力女川原子力発電所 阿部正信所長:
「震災後ずっと止まっていたので、約4割ほどの社員が運転経験がない。運転シュミレーターを使ったり、訓練をしたり、力量アップに努めている。訓練を重ねて再稼働に向けて万全を尽くしたい」

東北電力によりますと、7月頃に原子炉に燃料を挿入、9月頃には原子炉を起動して実際に発電を再開し10月頃の営業運転開始を目指します。ところで女川2号機で12日夜、原子炉建屋の空調が停止し非常用のガス処理設備が計画外で作動しました。外部への放射能の影響はないとしています。当時、空調の点検中で東北電力では、点検作業に問題があった可能性もあるとみて調べています。