「山はより知るためには海を知った方が良い」現地の仲間からのアドバイスに、活躍のフィールドを海にも広げようと考えていたころ、父親の病気などもあり、帰国の途につきます。その後、父親の経過も良くなると、海への探究心に火がつきました。
飛び込みに近い形で沖縄県の西表島に移り住むと、本格的にシーカヤックのインストラクターとして経験を重ねました。
「シーカヤックのインストラクターを始めてから、能登の海のことを考えるようになったんです。帰省したとき、故郷の海を実際にカヤックで漕いでみたら、これはすごいと。こんなフィールドのある場所に住んでいたんだなとようやくその時に気づきました」

能登半島の島々に囲まれた七尾湾は、荒々しい印象の日本海にあって波は穏やか。シーカヤックには最適ともいえる環境でした。
故郷を長く離れたことで、かえってその素晴らしさに気がついたジョニーさん。西表島で出会った妻の遥奈さんと石川・七尾市に居を構えたのはおととしのことでした。
観光客の多いハイシーズンはガイドを、それ以外の時期は広告デザインを請け負う生活を続けるうち、地元の観光協会や老舗旅館との連携も深まりました。多くの協力を得て、ことし、シーカヤックやセーリング・サイクリングなどのアクティビティを通して能登の魅力を伝える事業をスタートさせる予定でした。その準備を進めていた矢先、能登半島を大地震が襲いました。
