「パ・リーグでは基本、投手がバント成功してくれたらラッキーぐらいの感覚」

 ―――この西武との3連戦について、「投手のバント」に注目して振り返ります。8日、阪神のビーズリー投手は3回ノーアウト1・2塁の場面で一塁線にバントをしましたが、3塁フォースアウトで送りバント失敗。9日の才木投手は5回1アウト1塁の場面で、一発で送りバントを決めました。一方、西武は9日、渡邉勇太朗投手が3回1アウト1塁の場面で、スリーバント失敗となりました。

 「バントが重要視されるんですよ、セ・リーグは特に。ビーズリー投手のノーアウト1・2塁の場面は、ピッチャーとしてはバントさせたくないですし、この場面は送るのが難しいです。タッチプレーではないので、打球をより殺したりしないといけないです。才木投手は1アウト1塁の場面で送りバントを決めるんですけど、ピッチャーからしたら2アウト2塁でも別にそこまでピンチではない。なので、そこまで『やらさない』っていうことでもないんですよ。逆に、やらしてアウトをもらうっていう手もある。でもね、パ・リーグの投手はほぼバントの練習しないです。交流戦の2週間前ぐらいからやっと始める段階なので、セ・リーグの投手は変化球を投げたりとかする。パ・リーグのピッチャーはそういったボールを見てないんで、バントできないですよ」

 ―――能見さんは、現役時代は正直、8番バッターに『打つな』と思うぐらいバントは気が重かったと?

 「僕らも練習するんですけど、『決めてくれよ』っていう目もあって…難しいんですよ。バットに当たるんですけど、野手が100%成功してますかと言ったらそうでもないですよね。先発ピッチャーが週1回、実際に投げてもらうボールで練習してるかっていったら、してないですよ。練習はしていますけど、マシンのボールとかで練習している。ボールの質が違うんですよ」

 ―――パ・リーグのピッチャーは交流戦に向けてどれくらい準備しているのでしょうか?

 「少しだけです。ずっとできたらいいんですけど、最初にすると、親指が動かなくなるんですよ、衝撃を受けるので。そこに慣れてなくて、これが投球に影響する可能性があるので、パ・リーグのチームは基本、投手がバント成功してくれたらラッキーぐらいの感覚。失敗してもぜんぜん怒られないです」

 ―――ビーズリー投手の話もありましたが、外国人投手はどれくらいバント練習をしているのでしょうか?

 「日本に来たらしないといけないのでするんですけど、構え方を見た瞬間に、できるできないが僕らも見てたらわかるんですよ」

 ―――そして6月11日~13日は京セラドーム大阪で、阪神とオリックスの関西ダービーです。能見さんの注目は、阪神が村上頌樹投手、オリックスは西川龍馬選手のようですね?

 「西川選手はやっぱり交流戦、調子が上がってきましたね。さすがです。村上投手も本当にいい投球しています。(最近は勝てていないですが)それでも我慢して投げてるって、すごいことですよ」