「不確実性」が「過大な予想」として伝えられてしまう

気象庁によると、これまで幅を持たせた表現をするとで以下のような問題があったといいます。
▼幅を持たせた予想雨量の“最大値のみ”が合計されて過大な総降水量が伝えられる

たとえば上記のような雨量予想が出た場合に、山陰地方ではこの先2日間の予想雨量が「200ミリ+100ミリ=300ミリ」といった値で伝えられ、気象庁の予想雨量より過大な総降水量として伝えられることが少なからずある。
▼台風進路予想(5日先まで)より風速が強く出ることがある

台風の5日先までの進路予想では、最大風速や最大瞬間風速の予想は5日先まで幅のない発表であるのに対して、気象情報では幅を持たせているために、台風の進路予想より強い予想となるケースもあり整合性がとれないケースもありました。
気象庁では直近の4~6年間の風速や波の高さ、降水量や風速の予想の精度を検証した結果、24時間先・48時間先・72時間先までの予想の精度に大差がないことがわかったといいます。

たとえば24時間降水量の予想についてみてみます。
実際に降った雨量または予想した値で100ミリ以上となった大雨の事例について、
的中率・・・実際の雨量(100ミリ以上)が予想雨量の±25ミリの範囲内
見逃し・・・実際の雨量が予想雨量より25ミリ超多い
空振り・・・実際の雨量が予想雨量より25ミリ超少ない
とした場合に検証の結果、
▼的中率、見逃しの数ともに、24時間先・48時間先・72時間先の予想に大きな差はなかった
▼見逃しの数は、24時間先・48時間先・72時間先すべてにおいて減少傾向
だったといいます。
2023年の48時間先・72時間先の見逃しの数は、2018年の24時間先よりも減っているということです。

気象庁では、降水量や降雪量、風速や波の高さについて「幅のない表現」に変更して、最も確からしい量的な予想をより伝えやすくする、としています。