まちで水素をつくり、エネルギー源として利用する全国初の取り組みが、東京五輪の選手村跡地で始まった。「シリーズ SDGsの実践者たち」の第33回。 

エネルギーの一部に水素を活用

東京都中央区の晴海5丁目西地区。「HARUMI FLAG」と名付けられたこのまちは、2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピックの選手村だった場所だ。選手の宿泊施設は住宅に改修された。大会開催がコロナ禍で1年延期されたことで、改修の完成が遅れたものの、2024年1月から入居が始まっている。

まちには21棟の中層マンションがあるほか、現在2棟のタワーマンションが建設中だ。住宅の総戸数は5632戸にのぼる。商業施設も開業し、晴海西小・中学校も新たに開校した。

実はこのまちでは、脱炭素社会を目指す新たな取り組みが行われている。それは、まち全体で水素をエネルギー源として活用していることだ。