土砂の動きを監視して二次災害を防ぐ
さらに、熊本県内唯一の救助のエキスパート集団である熊本市消防局・中央消防署の「特別高度救助小隊」を訪ねました。救助隊の中でも、高度資機材を取り扱う小隊です。

今年、この小隊に導入された最新の装備は、土砂災害の現場などで捜索にあたる隊員の二次被害を防ぐためのものです。

熊本中央消防署 中央特別高度救助小隊 山本祥也さん(44)「“土砂監視センサー”といって、土砂崩れが起きた現場にレーザーを当てて、(二次災害の)動きがあった時に警報音が鳴り、活動している隊員が退避できる」

この装置は、捜索する隊員の近くで土砂崩れや家屋の倒壊などにつながるちょっとした動きを、いち早く感知することができます。
その他にも、倒壊した家屋や土砂崩れの現場で、要救助者を音で見つける装置『地中音響探査装置』もあります。当然、これらの最新装備を使いこなすのは「人」です。

熊本市消防局 消防司令長 吉本直樹さん(58)「(救助の)選択肢を広げるために毎日訓練をして、さらに積み重ねていく。その積み重ねが大事」

そう話すのはベテラン消防士の吉本直樹(よしもと なおき)さんです。
豪雨の避難誘導などを担当していた吉本さん、近くで市民と接する消防士として強い思いがありました。
吉本さん「(災害現場で)死を覚悟するけど、死ぬ思いの訓練をして、そういう裏付けの中で『絶対に助ける。絶対に帰ってくる』と」