「もっとできることあったんちゃうかな…」 子どもと向き合う教師の本音

2024年3月。卒業の日を迎えた。
ホさんがこの学校に来て半年。休むことはほとんどなかった。

ホさん
「僕は将来医者になりたいです。そして人を救いたいです」
そして、日夏詩さん。卒業式の3か月前、『これからはひとりで登校させてほしい』と松下さんに申し出たそうだ。

日夏詩さん
「私の夢はキャビンアテンダントになることです。なので中学校にいったら英語を頑張ります」

「卒業できたのも松下先生のおかげです。忙しいのに、送り迎えしてくれてありがとうございます。将来は優しくて、先生みたいな人になりたいです」

子どもたちからは感謝の言葉が伝えられた。けれど、松下さんの思いは複雑だった。

松下さん
「できるかぎりのことをやってきたけど、やっぱりまだまだ教えないといけないこと、みんなにもっともっとできることあったんちゃうかなと。いくつもいくつも思い浮かぶ」
子どもにとって、教師との出会いはその後の人生に影響を与え、時に指針となる。だからこそ、心に余裕を持って、子どもたちと向き合いたい。それが松下さんの本音だ。