児童に伝える“先生の仕事” 「疲れているのに、そういうの見せないのかっこいい」
2023年秋。2学期も半分が過ぎ、松下さんはある授業を計画した。将来の仕事について考える総合学習の時間だ。

松下さん
「将来なりたいお仕事はなんですかアンケートをしたんや。どんなお仕事がトップ10に入っているでしょうか?」「この中で一番ちょっとしんどそうやな。これはちょっとなー。続かんやろうなというのは?」

児童
「先生。教師」

松下さんが取り出したのはあの絵本だ。作った理由を初めて子どもたちに話した。
松下さん
「これを作るきっかけは担任していたときに『先生ってブラックなんですか?』って聞かれたんよ。めっちゃびっくりして、『なんで知ってるの?』って…。だけどその男の子は認めたんやと思ったんやろうなと。不安やったんや。しんどい部分も楽しい部分も伝えたいなと思って作りました」

教師という仕事をどんな思いで務めているか。少しでも知ってもらいたい…。
松下さん
「ねえねえ、先生ってどうして先生になったの?先生は、先生が子どものときの先生に憧れてなったんだよ。困ったことがあったら助けてくれて、でも悪いことをしたときは本気で叱ってくれて、そんな先生に憧れてなったんだよ。夢いっぱい、やる気いっぱいのみんなといられて幸せだよ。先生のお仕事は本当に虹色だよ」

児童
「本当は疲れているはずだけど、子どもたちにそういうところを見せないのがかっこいいなと」

児童
「授業のことを考えたりするのはわかっていたけど、そんなに大変だったというか、大変さをわかってなかった」