先生の仕事を絵本に きっかけは「先生の仕事ってブラックなん?」

松下さんは出勤するまで一睡もせずに机に向かう。ゆっくり起きられるのは休日だけだ。多忙な毎日を送っている松下さんには、忘れられない言葉がある。
5年前、クラスの子どもから「先生の仕事ってブラックなん?」と聞かれたことだ。

松下さん
「そのときはびっくりして、言葉がつまって思わず出た一言が『なんで知ってるの?』って言ってしまったんです。一番子どもたちにとって身近な学校の先生、教師がどんな気持ちで働いているかというのを伝えてなかったなって」

松下さんはこの言葉をきっかけに3年前、絵本を出版した。タイトルは、「せんせいって」。現役教師の立場から伝えたいという思いからだった。
教師の仕事や気持ちを動物に例えて表現した。

例えば給食の時間…
「せんせい いっつも 3ぷん くらいで たべてるじゃん」
「ねーねー。なんで そんなに わんちゃんみたいに はやいの~?」
「きゅうしょくが とっても おいしいからだよ!」
「ほんとうは はやく たべて みんなの テストや しゅくだいのまるつけを しないと いけないから…。さくぶんや ノートを ちゃんと みたいから」

放課後は…
「ほうかご なんにもない ひが ほとんどないの。ほんとうは みんなと あそんだり おしゃべりしたいのに」