「認証自体が曖昧」自動車評論家が指摘する問題点と課題は?

ホランキャスター:
誰もが知るメーカーで不正が行われる背景にはどのようなことがあるのでしょうか。

自動車評論家 桃田健史さん:
認証自体が曖昧ということが非常に大きいです。3日の会見でも「読み解き方によって違います」という話がありましたし、性善説に基づく部分が多いです。メーカーが行ったものを、そのまま書き写して良いという部分もあり、そうした曖昧な状況が長年ずっと続いてきました。

今回は技術の深掘りと、(認証の)状況がマッチしていないことを知らなかったなど、非常に曖昧な部分があったようです。デジタル化などでブラッシュアップしなければいけません。

井上貴博キャスター:
経営責任や日本経済への影響もあると思います。

立て続けに各社の認証試験の不正が発覚していますが、「安全性には問題がない」という説明で、アンバランスさがあり、どう受け止めて良いのかわかりません。

国も「遺憾であります」というだけではなく、今の認証試験や制度が車の進化に合っているのかという検証も行うべきではないのでしょうか。

自動車評論家 桃田健史さん:
そういった話はずっとありましたし、今回、抜本的な改革をするということで、国土交通省の中で検討会が始まっています。

DX化を徹底して、いつ誰がどこで(認証試験を)行ったかを記録して不正が行われないようなシステムを作らないといけません。さらに、何のための試験で、その試験がどう安全に紐づくのかということを明確にする必要があります。曖昧さが消えない限り、「何のための認証なのか」という印象が残ります。

井上キャスター:
クリアにならないと消費者としては戸惑うだけです。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
電子化、自動化が進んでいて、検査項目も増えているでしょうから、ルールを作る側の歩み寄りと、データを出す側が正しいデータを切り取るということを双方がやっていってほしいです。

自動車産業は日本を支えている産業ですから、世界と比べて後れを取ってほしくないという思いもあります。

ホランキャスター:
「認証は非常にふわっとしている」ということですが、ふわっとした基準から、不正をどう割り出すのでしょうか。

自動車評論家 桃田健史さん:
やらなければいけないことをやっていないなど、単純にイエスかノーで判断できるようになっています。

井上キャスター:
海外メディアもこの問題を批判的に報じるでしょうから、日本の企業価値が損なわれることにもなりかねません。日本の企業価値をどう守って、世界に打ち出していくかという意味でも、認証試験をもう一度吟味してほしいです。

自動車評論家 桃田健史さん:
そのうえで、お客さん第一、信頼第一だと思っています。

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<プロフィール>

桃田健史さん
自動車評論家
専門は自動車産業、自動車技術、交通など

松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父