山口県警周南署は4日、コンサート入場チケットの販売を委託していた取引先2か所から集金名目で現金29万3075円をだまし取った疑いで、元周南市文化振興財団の職員の男(56)を詐欺の疑いで逮捕しました。

周南市文化振興財団をめぐっては、2021年度末の決算書と預金との差額が1億4000万円あまりあることが判明。イベント企画などを担当していた男と、会計担当の元職員の2人が着服した疑いがあり、財団は犯行の一部について刑事告訴していました。

男は「集金の事実は認めるが、だまし取るつもりはなかった」と、容疑を一部否認しているということです。

今回逮捕された男は、周南市文化振興財団で集金業務などに従事し、不正が発覚して休職処分を受けていたにもかかわらず、犯行に及んだとみられます。

警察では、余罪視野に捜査をしています。

元職員の逮捕を受けて、周南市文化振興財団の理事長の藤井律子市長は、「市民の皆さまに多大なるご迷惑、ご心配をおかけしていることを深くお詫び申し上げます。二度とこのようなことが発生しないよう、組織の管理体制を見直し、法令遵守意識の徹底、再発防止に努めるとともに、信頼回復にむけて引き続き職員一同誠心誠意職務を遂行してまいります」とコメントしています。