任意団体「祝う会」が主催 岸田総理の新疑惑

政治資金パーティーについては、主催が政治団体でなければ収支の公開の必要がないことも問題になっている。

立憲民主党 野田佳彦 元総理
「主催が任意団体だから収支報告書には記載をしていないということでしたけれど、明らかに脱法パーティーじゃないですか」

国会で野党から追及されてきた、岸田総理自身のパーティーを巡る疑惑。私たちは、2022年に開催された「内閣総理大臣就任を祝う会」の問題を報じたが、さらに11年前に開催された別のパーティーについても、新たな疑惑が明らかになった。

2013年6月、広島市のホテルで開かれた「外務大臣就任を祝う会」。会費は1万円で、約1200人が出席。政治家や経済団体トップらが一堂に介したが、主催は「外務大臣就任を祝う会」という名の任意団体としていた。

「祝う会」の実態は岸田事務所ではないのか、元自民党市議に話を聞くと…

元自民党 広島市議会議員 伊藤昭善氏
「外務大臣就任パーティーをやっている。欠席って書いてある。全部政治資金パーティーでしょ、言い方を変えているだけじゃん。だからそういうことを平気でね、一般国民が理解できんことを平気でそういう理屈を言うから、そういう飾りつけなんですよ。岸田さんを祝う会を、岸田事務所が知らんいうことは絶対ありえない」

政治家は政治資金パーティーを開催した場合、政治団体などの収支は政治資金収支報告書に記載しなければならない。だが「祝う会」は任意団体としていて、収入が1000万円未満なら報告する義務はない。

当時の岸田氏の収支報告書には、「祝う会」から382万円の寄付と記載されているだけで、実際のパーティーの収支は明らかにされていない。

実は、2022年に開催された「内閣総理大臣就任を祝う会」でも同じ手法は使われていた。会費は同じ1万円。収支報告書には「祝う会」からの寄付額321万円が記載されていた。

さらに、任意団体である「祝う会」の代表と、岸田総理の後援会長が同一人物である。2024年3月、話を聞くと…

――「祝う会」の実態は何?
「祝う会」代表 岸田総理の後援会長
「実態はないよ。ない、言ってみれば。変な話、全部岸田事務所でやったと言えばやったよね」

――岸田総理の事務所にお金が全部行っていた、口座から
「そうですよね、それは祝い金としてね、祝儀として」

後援会長は、「総理大臣就任を祝う会」の取り仕切りは岸田事務所が行っていたことを認めた。後日、国会で野党からこの証言について問われた岸田総理は…

岸田総理(2024年3月)
「私の事務所として手伝いをさせていただきましたが、主催したのはあくまでもこの政財界の任意団体であると説明させていただいています」

11年前の「外務大臣就任を祝う会」でも、岸田事務所が取り仕切りを行ったのか?私たちは、元自民党の古参議員から重要な証言を得ることができた。