■ 「国際ロマンス詐欺」その具体的な手口とは
今、熊本県内ではSNSを悪用した「国際ロマンス詐欺」の被害が増加しています。
男に500万円あまりを騙し取られたという女性がその手口を語りました。

被害にあった女性
「高揚させて気分良くなっていたのをドンと落とされた感じ。すごく卑劣ですよね」

こう訴えるのは、好意を寄せていた男に約560万円を騙し取られたという 熊本市の50代の女性。
女性は今年5月、ビジネス向けのSNSで、ある男と知り合いました。
「メッセージがきて、3年前に東京に来たと。日本人の友達を得たいからということで」

メッセージを送ってきたのは、シンガポール出身の「ジョンソン」と名乗る男。送られて来た写真の男はK―POPアイドルのような顔立ちをしていました。
その後、女性は男とLINEでやり取りを重ね、次第に好意を抱いていきます。

「『何をしていたの?』といつも言われる。そう言ってくれるのに心地良さを覚えていたというのは正直あります」
そしてやり取りを始めて約 2週間、男が投資の話をし始めました。
「投資の勉強を一緒にしようと言われ『お金をどのくらい持ってる?』とか『クレジットカード持ってる?』とか どんどんそっちの話になってきて」

男に勧められて始めたのが暗号資産を取引できるというアプリ「CBEX(シー・ビー・イー・エックス)」でした。
「10万が11万9000円とかになった」

男から操作方法を教えてもらうと、画面には利益が出ていることが表示されました。その後、投資額が増え、ローンを組むなどして投資を続けていた女性。
しかし、7月20日に金を引き出そうとした時の事でした。

「納税しなければならない。1000万円を一気に出すと不正を疑われると」
納税を促すアプリの指示に従い、約200万円を振り込むと、2時間待つようメッセージが表示されました。不審に思った女性は…

「(投資アプリ)CBEXと検索したら、ロマンス詐欺が出てきて、そこで気づいて一緒だと」
詐欺だと気づいた女性に対し、男はさらに「金を引き出すためには保証金が必要だ」と連絡してきたといいます。結局、女性はアプリから金を引き出せず、現在家賃の支払いもできない状態です。

「ショックで2、3日食事も喉を通らず、今後のことを考えました」
警察によりますと、SNS上での出会いをきっかけとした、いわゆる「国際ロマンス詐欺」に関する相談が、今年は去年の倍近い 62件寄せられていて、相談者の多くが40代以上の男女だということです。

警察は女性が利用したアプリ「CBEX」の実態についても調べを進めています。