人から人に感染した報告例なし
同じ「抗酸菌」というカテゴリーに属する「結核菌」と「非結核性抗酸菌」

結核菌から発症する「結核」はこの数十年で患者が減っている一方、「非結核性抗酸菌症」は増加傾向にあります。人から人へ感染するか否かも両者の違いです。

「非結核性抗酸菌症」の感染経路は詳しくは分かっていませんが、原因となる菌は水道などの水回りや土の中など私たちの生活の身近に潜んでいるとされています。

菌の多くは肺に感染し「肺NTM症」と呼ばれる病気を引き起こします。主な症状は結核に似ていて、慢性的な咳や痰、微熱、身体のだるさなどとなっています。
肺NTM症は中高年の女性に感染が多いという特徴があり、国のまとめでは、おととし1年間で2,300人あまりが亡くなっていて、結核による死亡者数を700人近く上回っています。
この病気で厄介なのが、結核と比べ「治りにくい」ことです。
泉川教授:
「結核は一定期間治療すると治ることがほとんどなんですけれど、非結核性抗酸菌症というのは“なかなか治らない病気”なんですね」
治療には数か月を要することもあるといいます。
泉川教授:
「1つ(の薬)を何日間飲めばいいよじゃなくて、3~4種類を数か月間というような特殊な治療をやるのがこの感染症なんですよね。非結核性抗酸菌症はなかなか治りづらいので上手に付き合っていきましょうとお話しをしています」