エコの旗手に

ところが昨今、その利便性や、環境負荷の低さが再評価され、再整備や新規導入が進んでいます。
路面電車は、案外全国各地に残っており、広島市や長崎市などでは日常の交通手段として広く利用されています。広島市の広島電鉄は日本最大規模の路面電車網を誇り、市民生活に欠かせない存在ですし、長崎市の長崎電気軌道も観光と実用を兼ねた重要な交通機関です。

全国に路面電車は案外残っていました。それが今復活しようとしているのです。

路面電車(トラム)は、バスと較べて定時性が高く、大量輸送が可能です。
電気を動力源とするため、排出ガスがなく環境に優しい点も大きな特徴です。また、都市の景観に溶け込みやすく、観光資源としての価値も高いといえます。ここに最初に注目したのがヨーロッパ諸国でした。

ストラスブール(仏)のトラム利活用は「コンパクトシティ」のお手本となりました。

これらの欧州諸国では多くの路線でICカードが導入されており、利便性が向上しています。
一方、オーストラリアのシドニー市ではすでに地下鉄網があるにもかかわらず、大規模なトラムの導入をすすめ、よりきめ細やかな輸送網が構築されました。これは「中心街からクルマをなくそう」という試みでもあるそうです。

シドニー(豪)の大規模トラム、長い長い(Photo:HIKITA/Satoshi)