「アパルトヘイト終焉」 マンデラの民主化から30年

南アフリカで長年続いた「アパルトヘイト=人種隔離政策」。白人とそれ以外の人種を区別し、黒人には参政権や職業選択の自由すら与えられませんでした。その「アパルトヘイト」を終焉させ、全ての人種が参加する選挙で誕生したのがネルソン・マンデラ大統領です。

マンデラ大統領
「決して、二度とこの美しい国土に差別をもたらしてはならない」
人種の壁を取り除き、国民から建国の父として慕われました。そのマンデラ氏が率いたのが「ANC=アフリカ民族会議」。
国民の絶対的な支持のもと、30年間政権を維持してきました。ところが、埋まらない格差や世界最悪レベルの失業率。「ANC」はいま支持を失いはじめています。
さらに拍車をかけたのが、“電力危機”の背景にもあるとされる“国営電力会社との癒着”です。2019年から3年間、国営電力会社「エスコム」のCEOを務めた、アンドレ・デ・レイタ氏。

発電所の修復や電力需要を補うための新規開発に充てられるはずだった膨大な資金が「ANC」の関係者に流れていたと告発しました。

国営電力会社「エスコム」元CEO アンドレ・デ・レイタ氏
「少なく見積もっても、毎月5000万ドル(約78億円)が消えていました。“政府と繋がりのある”仲介業者が必ず契約を結び、エスコムから多額の金を中抜きしていたのです。仲介業者は、与党・ANCと繋がっていました」

“電力危機”に“汚職”や“経済格差”。与党「ANC」への不信が高まる中、来週行われるのが南アフリカの総選挙です。

ンフレニさん
「『投票すれば雇用を作れる』と言われてANCに投票しました。それで今どうなっている?仕事はない。投票前となにも変わりません」
――マンデラは恩恵をもたらしてくれたと思う?
「そんなものはありません。どこに恩恵なんてあるんですか。富はまだ、白人たちが支配しています」