コーヒー豆の積み出し港として栄えた港町は「1日2回水没」

今、世界で最もコーヒー生産量が多い国はブラジルです。世界遺産になっているパラチーという港町があり、ここもコーヒーと縁があります。パラチーは、元々は内陸部で採掘した金を船で運び出すための港として発展したのですが、やがて金が枯渇すると街も寂れていきました。ところが19世紀にヨーロッパでコーヒーブームが起こり、その需要に応じるためにブラジルでの本格的なコーヒー生産が始まります。そしてパラチーはコーヒー豆をリオデジャネイロへと運び出す港として、再び活気を取り戻したのです。

番組でパラチーを撮影したのですが、面白いのは「毎日、街が水没する」こと。潮が満ちてくると、街のメインストリートが水路のように海水で満たされ、潮が引くとまた道路になるのです。実は街づくりの段階で、わざと毎日水没するように設計されていました。当時はまだ下水道がなく、人々は道路で用を足し、それを潮の満ち引きが水洗トイレのように海に流して処理してくれたのです。
このように世界遺産には、コーヒーと関わりのあるものがいろいろとあります。カーニバルで有名なリオデジャネイロも、コーヒーと街づくりが深く関わっている都市。ここも「リオデジャネイロ:山と海の間のカリオカの景観」という世界遺産になっていて、今年撮影して放送する予定ですので、ご期待ください。