アンデス山脈の急斜面「コロンビア・コーヒーの文化的景観」

断崖中腹で眠っているゲラダヒヒの群れ

このエチオピア高原にある世界遺産が「シミエン国立公園」。高低差1500メートルもある目もくらむような絶壁が続き、そこにゲラダヒヒというサルが暮らしています。断崖絶壁という特殊な環境に適応したサルで、夜は敵に襲われないように絶壁の中腹で眠り、朝になると断崖を登って、崖の上の草原で植物を食べます。威嚇するときに唇をめくりあげるのですが、その顔はプレデターそっくり。研究者によると、ゲラダヒヒはこうした顔の表情や身振り手振りなどを使って、仲間とコミュニケーションをしているとのことです。

アンデス山脈の急斜面にあるコロンビアのコーヒー畑

熱帯高地での栽培が適したアラビカ種は、南米にも広がりました。コロンビアの世界遺産「コロンビア・コーヒーの文化的景観」は、文字通り、アンデス山脈の高地で行われているコーヒー栽培が生んだもの。標高2000メートル、さらに斜度40度にもなる急峻なアンデスの斜面に畑があるため、機械化や大規模化が難しく、伝統的な家族単位で手作業で栽培する農家が残っているという特徴があります。労働には過酷な環境ですが、一方でここも昼夜の寒暖差、雨の多さ、さらにミネラルを含んだ火山灰の土壌など、良質なコーヒーを作るのにうってつけの条件が揃っていたのです。番組では、この「コロンビア・コーヒーの文化的景観」も今年撮影して放送する予定です。