では新しいワクチンは、今流行しているBA.5に有効性はあるのでしょうか?ファイザーとモデルナの2つのワクチンを比べていきたいと思います。輸入を検討している新しいワクチンは、従来株とオミクロン株(BA.1)の2つの株に有効な成分が含まれています。
▼ファイザー
・従来型のワクチンを3回接種した56歳以上の方が対象
・「BA.1」に対する中和抗体価(「従来型」4回接種と比較)は、1か月後平均1.97倍増えた(半分量接種でも平均1.56)
・「BA.4/5」に対する中和抗体価は、BA.1ほどではないが、抗体価が上昇
・18歳から55歳に関しては、BA.5に対する中和抗体価の記載はなし
▼モデルナ
・従来型のワクチンを3回接種した18歳以上の方が対象
・「BA.1」に対する中和抗体価(「従来型」4回接種と比較)は、28日後平均1.75倍増えた
・「BA.4/5」に対する中和抗体価は、有効性を示す。つまり、BA.1対応型ですが、BA.5にも有効性が示されているデータが出されているわけです。日本でも新しいワクチンの接種が始まっていくことになりますが、▼輸入は、9月中に可能な見込みということです。▼接種は、早ければ10月から始まります。▼2回接種を完了した全ての人へ接種できるよう準備を進めるということでした。
ホランキャスター:
松本さん、オミクロン株はワクチンの効果があまりないのではないか、効果を逃避してしまうのではないかということも言われていましたが、ワクチンはオミクロン株に“有効”と考えていいのでしょうか?
国際医療福祉大学 松本哲哉教授:
少なくともオミクロン株対応ということなので、今まで使っていたワクチンに比べれば、抗体価の上がり方は確かに上がっていると言えると思います。本当にオミクロン株対応で、従来のワクチンに比べて抗体価が20倍、30倍くらいまで上がるということであれば、新しいワクチンをぜひ使ってくださいとなります。しかし、オミクロン株対応とみんなが期待して、新しいワクチンが出るまで待とうとなってしまうと、今感染が厳しい状況の中で抗体が低いまま過ごされる方が出てくるので、それを考えると、このタイミングだからこそ早めに打っといた方がいいと思います。3回目4回目の対象の方は、オミクロン株対応のワクチンを待たないで、とりあえず打つことが本当の選択だろうと思います。
井上貴博キャスター:
しかも、対応ワクチンが出てきて打ったときには、その株の流行が終わっていることが往々にして考えられます。早く治療薬の方に集中していただけないかなと思いますが、治療薬を増産していくのは、それだけハードルが高いのですか?
国際医療福祉大学 松本哲哉教授:
治療薬はまた別の観点からいろいろ評価されているので、確かに難しい部分はありますが、次は何とか承認されるのを期待しております。
井上キャスター:
次の会合でですか?
国際医療福祉大学 松本哲哉教授:
そうです。
井上キャスター:
塩野義のものですか?
国際医療福祉大学 松本哲哉教授:
そうです。