厚生労働省は「オミクロン株(BA.1)」に効果が出るよう改良された“新しいワクチン”の接種を早ければ10月にも始めることを決めました。ファイザー製とモデルナ製の2種類が対象ですが、これまでのワクチンと比べて有効性はどのように変わるのでしょうか?期待の声がある一方で、専門家からは「今の感染状況では“新しいワクチン”を待つよりも今あるものを打った方がいい」という声も。
■クレーム対応に苦悩の医療現場も 「なんで受診できないんだ」
ホラン千秋キャスター:
埼玉医科大学総合医療センター岡秀昭教授は、「医療現場で『なぜ受診できない』『なぜ待たせる』などのクレーム対応に追われ、現場の人たちが非常に疲弊している」と話しています。
松本さんの病院は今どのような状況でしょうか?
国際医療福祉大学 松本哲哉教授:
状況はほぼ同じです。外来も予約で何日も先まで埋まってます。その中でいきなり来られて、何で受診できないのかと言われても、本当に受けられるのであればもちろん受けます。ただ正直言って、医療現場側もいっぱいいっぱいなので、お断りせざるを得ない状況もあります。残念ながらクレームに対しては、窓口をやっておられる方は本当につらい思いをされてるだろうなと思います。
■オミクロン対応“新”ワクチン 10月にも 有効性の違いは?
良原安美キャスター:
医療がひっ迫するほど感染が拡大しているわけですが、8月8日、ワクチンに関して新たな動きがありました。8日午後、厚生労働省の専門部会が「オミクロン株対応ワクチン」接種を了承しました。この新しいワクチンはどのようなものか見ていきます。8日議論が行われたのが、ファイザー、モデルナが開発しているオミクロン株(BA.1)に対応しているワクチンです。今流行の主流になっているのは、BA.5です。
厚生労働省の専門部会では、何が議論されたのかというと、利用可能なオミクロン株対応ワクチンによる接種に、なるべく早く切り替えることが妥当ということで、流行の中心になっている「BA.5対応型」ワクチンについては、現時点では未定としました。少なくとも「BA.1対応型」よりは輸入開始時期が遅れる見込みとして、いち早く利用可能となる「BA.1対応型」を選択するべきとしたわけです。