誹謗中傷と戦う医師 “3年間で5000件”の投稿

誹謗中傷に対し、個人で戦う決断をしたのは、感染症専門医の岡秀昭教授です。

コロナ禍ではテレビなどを通じ、ひっ迫する医療現場の現状やワクチン接種の必要性を訴えてきました。

すると、ワクチン接種に反対する人などから、「とても残念な人相 医師を射殺」、「お前の住処を焼く。お前は丸焦げだ」など、人格を傷つけるような投稿は3年間で約5000件にのぼったといいます。

岡教授は特に悪質な約60件について、2023年5月以降、発信者情報の開示を東京地裁に請求。その結果、謝罪や投稿削除の申し出があれば、和解や示談に応じる一方、そうでない人には損害賠償を求める裁判を起こし、徹底的に争っています。

埼玉医科大学総合医療センター 岡秀昭 教授
「今後同じ立場になって情報発信する側になるであろう人が、今後の状況において、言論を封鎖されるようなことがないようにしっかり(裁判の)判例を作っていく」

しかし、このやり方では限界があると話します。

埼玉医科大学総合医療センター 岡 教授
「半分ぐらいは速やかに謝罪して示談交渉になるんですけれども、約半数はさらにそこから投稿などが過激化して攻撃がひどくなるケースがあります。まず誹謗中傷の侮辱、あるいは名誉毀損に該当する投稿を減らす必要がある。そのためには(SNSなどの)各運営会社には厳しい規制を設けて対応していただきたい」