なぜ「生涯」ではなく「最長20年間」なのか
ホラン千秋キャスター:
例えば「何歳以下の子どもと関わる場合は、必ずこういったところに登録してください」など、業種で縛らなければいけないものなのでしょうか。
河西邦剛さん:
本来ならば、どういった会社であっても「内部に性犯罪を犯した方がいる」というのは抵抗があるし、正直ネガティブに捉えますよね。どの事業者も対象にするという可能性はあり得ますが、同時に重要なプライバシー問題にもなってきます。また事業者に国が提供して、そのプライバシーがちゃんと守れるのか、という問題もあります。
なので、まずは国が前科情報を提供する先として、子どもに接する学習塾、スイミングスクール、芸能事務所などを任意の制度の対象にした、というところになってきます。
井上貴博キャスター:
職業選択の自由もプライバシーも加害者に関して守らなければいけない、というところもあると思います。しかし、一番大切なのは子どもの安全だとすると、性犯罪歴がある人は「最長20年間」は子どもに関わる仕事に就けません。今後の議論にもなると思いますが、なぜ20年で区切るのでしょうか。生涯できなくてもいいのではないか、とも思いますが。

「食べチョク」代表 秋元里奈:
職業選択の幅が狭まる、とはいえ他の職種には就けるので「子どもの性犯罪を極力ゼロに近づける」という意味でいうと、やはり厳しくしていった方がいいと思います。
それこそ共働きが増えていく中で、ベビーシッターを使う人もすごく増えているし、個人契約とはいえ、それをマッチングするプラットフォーマーは必ずDBSで確認しなければいけない、というような義務化していかないと、どうしても接点というのは残っていくので、性犯罪を犯した人が逆に民間の方に流れていく、というのは少し怖いなとは思います。
河西邦剛さん:
今回「最長で20年間、なぜ一生ではないのか」疑問ですよね。どうやら、過去の犯罪歴を調べてみると「9割以内の人が20年以内に再犯してる」と。なので、人権の問題と法案提出を両立させる中でどこで線を引くか、今回は20年で切ったということになっています。
<プロフィール>
河西邦剛:
レイ法律事務所パートナー弁護士
芸能・エンターテインメント分野の法律問題が専門