5月20日、熊本市の住宅地で発砲音のような音がして、一時騒然となりました。住人の男は、「イライラして火薬銃を撃った」と話しているということです。
この行為に違法性はあるのでしょうか。
「窓から拳銃のようなものが」
公務執行妨害の疑いで5月22日に送検されたのは、熊本市中央区に住む無職の50代の男です。

警察によりますと、男は5月20日、アパートの部屋を訪れた警察官の盾に、はさみを複数回突き立てた疑いがもたれています。
一方で、この事件の前にはアパートの住人から次のような通報が警察に寄せられました。
「拳銃の発砲音のような音を聞いた」
「窓から拳銃のようなものを出していた」
このことについて、男は警察の取り調べに対し、「趣味でモデルガンなどを集めていた。イライラして火薬銃を外に向かって数発撃った」と話しているということです。
弁護士「偽計・威力業務妨害への該当性も」
男が撃ったと話す火薬銃は、玩具店などにも売っているおもちゃでした。RKKでは同様の火薬銃を用意し、社内で実射してみました。

引き金を引くと、火薬銃からは火花と共に「パンッ」という大きな音が出ます。鳥獣を追い払うために使われる場合もあるということで、おもちゃとはいえクラッカーなどと比べても大きく、鼓膜に響くような発砲音でした。
このような火薬銃を街中で撃ったり、モデルガンを持って人通りの多い場所に出たりした時に、罪に問われることはあるのでしょうか。

今回のような行為について、弁護士の宮田房之さんは「様々なケースがある」とした上で、ポイントとして「周囲への影響」を挙げています。

宮田房之弁護士「偽計・威力業務妨害への該当性が考えられると思う。周辺の学校や商店の業務にどのような影響を与えるのか」

また、おもちゃであっても、「それを見た人にどのような印象を与えるか」で違いがあるとしています。
宮田弁護士「拳銃を見せた時に『誰が見て、自分の行為に対して自分自身がどのように認識していたか』で犯罪の成立要件を考えることになる」