依存症のきっかけは共働きの両親に対して覚えた「寂しさ」

 利用者を支える渡邊さんですが、実は渡邊さん自身も依存症を抱える当事者の1人です。渡邊さんの実家を訪れると、当時の“痕跡”が残っていました。床には塗料のようなものがついています。
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 (渡邊洋次郎さん)「ペンキとかシンナーとかそういうのを(吸うのが)やめられなかった。精神状態が悪い中でまき散らしたりとか暴れたりとかしていたかな」

 中学2年からシンナーを吸い始め、シンナーが手に入らなかったことをきっかけにアルコールにも依存。20歳の時、薬物とアルコールの依存症だと診断されました。
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 (渡邊洋次郎さん)「階段の上からジャンプばかりして。どうにもならへん自分を痛めつけて、その時だけちょっと気が楽になるというか」

 意識がもうろうとする中、家の階段の上から何度も飛び降り、自傷行為や破壊行為を繰り返したことも。依存症のきっかけは共働きの両親に対して覚えた「寂しさ」だったといいます。
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 (渡邊洋次郎さん)「両親が共働きで働いていて、すごく寂しかって。でも父親は、寂しいみたいな気持ちを言うとすごく怒るし、母親は母親で困ってしまう人だったので。自分が自分の気持ちを言ってしまったりすると人が嫌な思いをするとか、手を煩わせているみたいな思いがどこかにあって」

 「寂しい」と感じてしまう自分を隠さなければと考えた結果、新たな人格として「悪いことができる自分」を作り上げていきました。

 (渡邊洋次郎さん)「自分という人間の土台というか根幹をなすようなものがない。シンナーとか不良とかいろんなことが土台の代わりになってくれたというか。これが俺やと思えた」