セイコーゴールデングランプリ(19日、東京・国立競技場)に7年ぶりに出場した男子100mのサニブラウン アブデル ハキーム(25、東レ)。昨年の世界陸上ブダペストで6位入賞を果たし、6月30日までにパリ五輪参加標準記録(10秒00)をマークすれば代表に内定するが、今大会は決勝でまさかの足が攣るアクシデント。後半失速し、結果は10秒97の8位に終わった。内定は持ち越しとなったが、レース後、変わらぬパリ五輪への思いを語った。
南波雅俊TBSアナウンサー:決勝は足が攣ってしまったということでしたが、足は大丈夫でしたか?
サニブラウン選手:攣っただけだったので、特に今は何ともないですね。ちょっと筋肉痛のレベルなんで大丈夫です。
南波:大会全体としてご自身の走りはどうでしたか?
サニブラウン:予選は1回スタートリコールがあって、集中力がちょっと切れちゃったかなという感じで、ものすごく不完全燃焼でした。
「アドレナリンジャンキーなんじゃないかな」
南波:22年の世界陸上オレゴンでは男子100m日本人として初めてのファイナリスト。昨年の世界陸上ブダペストでは準決勝で9秒97の自己ベスト。2大会連続世界陸上でファイナリストとなりましたが大舞台での結果を出す自身の強さについては?
サニブラウン:ただのアドレナリンジャンキーなんじゃないかなって思います。大きい大会であればあるほどすごく楽しいですし、周りの選手もモチベーションをあげてくるので高いレベルのレースができるのでその環境で走れることが一番輝いていて楽しいと思いますね。
南波:この二つの大会で決勝での経験っていうのは、サニブラウン選手にとってどういうもの?
サニブラウン:失敗を経験してそれを実にしなければいけない場であるとともに、世界のトップとの差っていうのを身に染みて感じた舞台ではあるので、逆にどれだけ自分が近づけるか。どれだけ自分がやっていけるかっていうのを突き詰めるための機会だと思ってるので、逆に楽しみですね。
南波:特にどういう部分に力を入れて突き詰める?
サニブラウン:課題がいっぱいあって、1つクリアしたらまた課題が出てくるので正解は分からないんですけど、ずっと言っていたスタートが最近になって感覚が違うような感じで良いものが得られたので、その違いが革新的に出てくれればなと思います。
南波:そのスタートの感覚の違いとはどういうことですか?
サニブラウン:スタートって言いますけど、ブロックから出るところじゃなくて、最初30mぐらいの話になるんですが。
今まではノソノソ出てみたり、パワーで出過ぎてスムーズじゃなかったりとか、色々チャレンジして試行錯誤したんですけど上手くいかなくて。でも今はパワーでアグレッシブに出れてるけどスムーズに加速もできてるっていう両方がマッチしている感じですかね。
南波:その感覚が分かり始めたのはいつぐらいから?
サニブラウン:昨年の11月ぐらいからですかね。コーチがずっと言っていたことが、ある日突然「こういうことか!」ってわかるようになって。そこを境に何度も反復練習をして感覚が変わっていったという感じですね。

















