鹿児島市で深刻化する渋滞を緩和しようと、東西道路と南北道路の整備促進を目指す期成会が、10日開かれました。渋滞の解消のめどは、立っているのでしょうか?

(鹿児島市 下鶴隆央市長)「東西・南北交通地区における渋滞緩和を図り、地域のさらなる発展に向け、今後とも活動を推進していかなければならない」

10日開かれたのは、鹿児島市や経済団体、運送業界などでつくる「鹿児島東西・南北幹線道路建設促進期成会」です。
期成会は市街地の渋滞解消などを目的に、鹿児島インターから天保山までの「東西道路」と、それと交差する形で本港区から海沿いを通って産業道路に接続する南北道路の整備を毎年、国や県に要望しています。

期成会が求める東西道路の一部およそ3.4キロ区間は、すでに国が2001年から整備を進めていますが、完成時期は未定です。

一方、南北道路は、構想から30年過ぎたいまも事業化に至っていません。背景には、多くの人が一度は通ったことがあるあの道路が関係しています。

(記者)「あちらに見えるのがマリンポートです。マリンポートの入口からあちら北側にある鴨池地区に橋をかける計画があり、現在、橋脚の建設が進められています」

背景にあるのが県が計画を進める臨港道路です。

臨港道路は、ふ頭の間を結んで物流をスムーズに行うため、県が進めている本港区から谷山地区までのおよそ17キロの海沿いの道です。

1996年に谷山臨海大橋、2000年に天保山シーサイドブリッジ、2014年に黎明みなと大橋が順次開通し、6年前に整備を始めたオプシアミスミ近くの中央港と鴨池地区を結ぶ橋が2030年度までに完成すれば、海沿いが一つの道路でつながることになります。
このルートが南北道路が想定するルートの一部を代替する形になっていることが、構想が進まない要因の一つになっているのです。

期成会は10日、東西・南北道路構想は渋滞緩和だけでなく九州縦貫道などと幹線ネットワークを結ぶ目的もあるとしていて、引き続き国や県に事業化を要望することを決めました。

(期成会会員・県トラック協会 鳥部敏雄会長)「(臨港道路で)直面する渋滞については、産業道路の渋滞緩和は進んでいくと思うが、市中心部をどう抜けるかという問題は、その先にあるので(構想を)進めてほしい」
新たな橋の完成で臨港道路が一本につながれば渋滞が一定程度緩和する見通しの中、南北道路の整備はどうするのか。県は今後も検討を続けるとしています。

(県・道路建設課 森元幸友課長)「国道225号と産業道路の付近で一番混むのは、1日10万台ぐらい走っている。新しく臨港道路(橋)を造ると、およそ2割ぐらい転換(減少)すると思っている。渋滞の緩和にはつながっていく」「今後、南北幹線道路を新たに検討する中では、臨港道路の効果を踏まえながら検討が必要」














