「年金改革に打ち出の小槌はない」

どの国の制度もいいことばかりではない。
オランダでは2つの年金合わせて給与のおよそ3割を保険料として納付している。更に高齢化による支払い年金の赤字分を国が補填する、つまり税金だ。それもあってオランダの消費税の基本税率は21%、日本の倍以上だ。もっとも医療費も教育費も無料だが…。つまりオランダ国民は他の北欧諸国などと同様“高負担・高福祉”を是としているのだ。
Z世代など若者の行動や価値観を調査する長田麻衣氏はオランダ型の年金制度を聞いて率直な意見を言う…。

『SHIBUYA109 lab.』長田麻衣 所長
「(年金)給付額で凄く魅力的だなって思ったんですが、今から給料の3割が取られてしまうって考えると、それは生活できないなぁって…。(中略)積み立て方式はいいかなと…自分に確実に戻ってくるものなら、今の上の人たちの分の賦課方式分と両軸で、ちょっと頑張れるかなぁって」

年金額が多いに越したことはないが、負担が増えるのは困る。これも本音だ。日本はなぜか長年“低負担・高福祉”に馴染んでしまってきた。無理が生じるのは必然だったかもしれない。どうすればいいのだろうか…?

公的年金調査室長を兼務する経済学博士、ニッセイ基礎研究所の中嶋邦夫氏は言う。

ニッセイ基礎研究所 中島邦夫 上席研究員
「オランダから学ぶのは将来の年金のためには負担しなければならないと国民が自覚しているということ。国民が同意していることが大きい。年金改革に打ち出の小槌はない

(BS-TBS『報道1930』5月2日放送より)