伴野酒造 伴野賢一(ともの・けんいち)社長:
「ここでお酒を仕込むときに、ここに井戸水・地下水を溜めて冷却して、仕込む」

地元産の酒米を使ったこだわりの日本酒づくりに欠かせないのが、地下から井戸で汲み上げる八ヶ岳の伏流水です。

佐久市野沢にある敷地の一角に案内してもらうと…

伴野酒造 伴野賢一社長:
「レンガの囲ってあるところが、仕込み水用の井戸なんです」
これが災害の時には?
「はい、そうですね。あの井戸を、災害用で協力してくださいってことでやっています。で、出るところはこちらが…」
井戸の水がここから?
「はい、ここから出ます」

佐久市が2018年に導入したのが、「災害時協力井戸」の登録制度。


井戸を所有する企業や個人が事前に登録し、災害時には周辺住民などに水を提供する制度で、伴野酒造は当初から登録をしています。

伴野酒造 伴野賢一社長:
「普段、やはり自然の恵みで私たちの会社も恩恵を受けてますので、災害時のときは地域の皆さんに協力できることをやって恩返ししようっていうことで」

佐久市によると、市内にはおよそ1,700の井戸があり、災害時の協力制度には、現在、42か所が登録されています。

佐久市環境政策課 吉見仁志(よしみ・ひとし)さん:
「指定されると、こういった看板を市の方でお出しするので、これを井戸のそばに掲示していただいています」
「数を増やすのも大事なんですけど、地域的に市内のどの場所でも均一にあるっていう状況が一番いいのかなというふうに考えていますので、地域ごとに皆さんが利用できる井戸を増やしていけるような形でいけたらいいのかなと思ってます」

一方、観光資源として公共の井戸を整備し、防災にも活用しようと取り組む自治体もあります。