『名前が上がらないような教団の中でも“2世問題”は起きている』
旧統一教会などの2世信者の悩みに向き合う人がいます。自身も別の宗教の2世信者である京都府立大学の横道誠准教授です。2年前から様々な宗教の2世信者に向けたオンライン相談会を開いています。
【オンライン相談会の様子】
(2世信者のAさん)
「大学生になったときに宗教を排除したんですけれども、20年近くもっていたアイデンティティを切り離したというところがけっこう精神的に負担になっていて」
(2世信者のBさん)
「今回の安倍元総理が殺害された事件を聞いてからは、やはり体調を崩して夜も眠れなくなって」
この日の相談会には3つの宗教の2世信者6人が参加しました。2時間の会で多くの時間を割いたのは、やはりあの銃撃事件でした。
【オンライン相談会の様子】
(2世信者のCさん)
「権力者と呼ばれる方が殺されたことで、ようやく(2世信者の)報道がはじまった。旧統一教会だけバッシングして日本から追い出して、『はい、一件落着』とならないか不安」
(京都府立大学 横道誠准教授)
「旧統一教会ほど危険ではないと言われてスルーされ出したところが、みんな不満に思ってしまいますよね。私たちは人生の一生問題として苦しんできているのに」
(2世信者のAさん)
「名前が上がらないような教団、いわゆる一般的にカルトと呼ばれることのない教団でも2世問題は起きていることなので、取り残されてしまうのではないかと」
横道准教授は、2世信者の問題に対する理解が足りていないと指摘します。
(京都府立大学 横道誠准教授)
「子どものためのホットラインにかけても、虐待の問題として聞いてくれたけど、宗教に関しては『自分の家で解決してね』と見放されたりとか。カウンセラーも宗教の問題とわかると鼻で笑ったりひいてしまったりして、『ちょっとそれはわかりません』ということで。支援者に対する不満というのは非常にありますね」