「学校に行きたくない」に「なんで」が一番NG

小川彩佳キャスター:
ご自身も不登校を経験されその後、NPO法人で当事者の取材を行っていらっしゃる不登校ジャーナリストの石井しこうさんです、よろしくお願いいたします。

石井さんは不登校を経験されたということですが、いつ、どういうきっかけで?

不登校ジャーナリスト 石井しこうさん:
私は中学2年生のときに不登校でした。きっかけは小学校のときの中学受験です。2年ぐらいさかのぼりますが、受験でずっと苦しくて、それが中学校に入ってからも続き爆発した、ということです。

小川キャスター:
そのときの心理状態ってのはどういったものでしたか。

石井しこうさん:
何が原因なのか分からない、自分がどうして苦しいのか、というより、生活してるだけで苦しくなってきてしまって。いま考えると自殺願望みたいなものがあったり、踏切の音を聞くとなんか呼ばれてる感覚とか。どんどん理由がわからず追い詰められてたな、というのはよく覚えています。

藤森祥平キャスター:
相当な覚悟で「学校に行きたくない」と切り出されたわけですよね。

石井しこうさん:
そうです、途中までもう「学校行きたくない」と考えないようにしていました。でもある日突然「もう駄目だ」となり、母親に相談しました。

ジャーナリスト 浜田敬子さん:
何年間ぐらい行けなかったんですか?

石井しこうさん:
私の場合は、その後ずっと戻ってないです。中学校卒業後はずっと不登校のままですね。

小川キャスター:
そのとき、家族の対応というのはどういったものでしたか。

石井しこうさん:
最初の対応が素晴らしくて、私が「行きたくない」って言ったら、母親が「わかった」と。「じゃあ、2週間休もう」と言ってくれて。

浜田敬子さん:
いきなり「休んでいいよ」と言える親御さんはすごいですね。まず、「どうして」と言ってしまうと思うんです。不登校の取材をしたことがありますが、責めてはいけないし、無理やり連れて行ってはいけない、とはわかってますが、「なんで、なんで」と絶対聞いてしまいそうな気がします

石井しこうさん:
その「なんで」が一番NGなんです。SOSを言ってる子どもからすると「なんで」とか、「もう少し頑張ってみよう」というのは、断られた気持ちになって、すごく追い詰められてしまう。「ちょっと明日ぐらい行ってみよう」とか言ってしまう。でも「わかった」と言ってまず受け入れる、ということなんですね。

小川キャスター:
思いがあってのアプローチでも、それが逆効果になるということ。