「明日から学校や仕事」という人も多いかと思いますが、連休明けに心配なのは五月病。それに子どもたちの不登校です。佐賀市立東与賀中学校では『学び合い』の授業で不登校が大きく減ったといいます。その理由とは。

不登校を減らした中学校の取り組み 「学び合い」とは?

佐賀県佐賀市の公立中学校。保健室の目の前に『そよ風ルーム』があります。

佐賀市立東与賀中学校 貞包浩洋 校長
「教室に入れない、別室登校。去年、一昨年はここに10人くらいいた」
――今は?
ゼロ

3年前までは、この学校にも保健室登校の生徒が十数人いましたが、今はおらず入学後、新たに不登校になる生徒もほとんどいません。

その秘訣は何なのか。この学校では3年前から全校的に取り組んでいることがあります。

宮﨑唯 教諭
「今日から『走れメロス』に入っていきます。今からやることの説明した後に、今日の活動に入っていきたいと思います」 

中学2年生の国語の授業です。宮﨑先生は「走れメロス」のある場面を4コマ漫画に要約するよう指示を出しました。すると… 

宮﨑 教諭
「35分までだからあと30分、33分か。はいどうぞ!」

先生の一声で、生徒たちが動き始めました。どこで誰と活動するかは自由です。

生徒「まず街いって…」 
生徒「まず妹の結婚式のために何かドレスとか食べ物とか買いに行ったから…」

早速、仲間と始める生徒もいれば、まずは一人で取り組む生徒もいます。

壇上から先生が一方的に指導することの少ないこの授業。『学び合い』と呼ばれ、先生は基本的には生徒の様子を見守るだけです。

隣の教室を見ると、こちらも同じやり方です。この学校では、『学び合い』を全校的に導入して以降、いじめや不登校が減ったといいます。

宮﨑 教諭
「助けてあげて、間に合わないかも。(残り)12分」

決められた時間までに全員が課題を達成できるよう、先に終わった人たちが手助けします。先生が皆に一斉に話すのは、最初と最後の数分間だけでした。