旧統一教会と県知事や市町村長との関わりが明らかになっていますが、旧統一教会側がつながりを持つきっかけとしていたのが「ピースロード」と題するイベントでした。「世界平和」をうたい文句に近づく旧統一教会。欺かれた自治体トップの言い分とは?


夏野元志 射水市長:
「後援については令和2年度から後援申請がありまして、県議の先生も協力していることを認識していましたので、そういったことから後援させていただいている」

射水市の夏野市長は、去年とおととしの2回にわたり、富山県内で開催されたイベント「ピースロード」に射水市が後援していたことを明らかにしました。


このピースロード。富山県を含むのべ全国62のルートで開催されていたのです。ホームページによるとピースロードは「人の心と心をつなぎ、世界平和の実現に貢献する」ことを目的に全国を自転車で走るイベントとされています。





富山大会では県内4つのエリアを参加者がめぐりました。去年7月、富山エリアの開会式には新田知事もあいさつに。

新田知事(7月26日会見):
「世界平和を願う。また今宗教で戦争が起きているところもある。これは大変よい取り組みだと思い、出席することとしました」



実は、このピースロード、旧統一教会の創始者、文鮮明夫妻が作ったUPFが主催する旧統一教会と関係の深いプロジェクトなのです。




このピースロードをきっかけに旧統一教会は県内の市町村長とつながりを作っていました。

角田悠紀 高岡市長(7月21日):
「例えばピースロードとか、県平和大使協議会さんがされていることに対して出席してごあいさつをしたこともありますし」



桜井森夫 小矢部市長(7月25日):
「ピースロードにおいては写真を撮らせていただいたことはございます。発言はしていないですけど写真はいらっしゃった方と一緒に記念写真を撮った事実はあります」



さらに、今年に入ってこんな依頼をされた市長も…。

村椿晃 魚津市長(8月1日):
「(ピースロードの)実行委員長を務めてもらえないかという依頼ですね。中身については開会式のあいさつをしてもらえばいいと」



ことしのピースロードは中止になりましたが、村椿魚津市長は実行委員長を務める予定だったといいます。一方、参加を断った自治体トップも。

笹島春人 入善町長(8月2日):
「なんで私が対応しなきゃならんのかと。よく聞いてみたらサイクリングをする過程で黒部、入善、朝日とか、そういう流れではないと聞いたのでちょっとおかしいのではないかと。(Q:町長はピースロードには参加したことはない?)ないです」



チューリップテレビが県内15市町村長にピースロードとの関わりを取材したところ、あいさつや記念撮影に応じた「関わりがある」と答えたのは高岡市や射水市など6つの市で「関わりがない」と答えたのは富山市や氷見市など9つの市町村でした。関わりがあるとした市町村長はいずれも「旧統一教会の関連団体との認識はなかった」としています。

一方、富山県とすべての市町村がピースロードを後援していました。



夏野射水市長:
「旧統一教会さんが関わっていた事業ということを一連の報道の中で知ったという経緯がある。なかなか名前が表に出ないように事業をやられたりという形になると正直分かりづらいというか認識しづらいというのが現状あるかなと思っています」



去年のピースロードのゴールは文鮮明夫妻が提唱した日韓トンネルの坑道がある佐賀県唐津市の現場。ホームページによるとおととしの8月から去年9月まで、富山県を含むのべ全国62のルートで開催されていました。

実態を知らずに後援をしていた自治体は全国に広がっているのです。