日銀「政策金利の据え置き」を決定。円安はどこまで進む!?

――あと注目点が為替。4月26日、日銀の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定。
その影響でかなり円安が進み、4月27日時点で、158円37銭。非常に心配だ。

エコノミスト・為替ストラテジスト エミン・ユルマズ氏:
為替というのは本当に難しい。株よりも実際難しい。取引高も大きく流れが1回できてしまうとそれを止めることはなかなか難しい。なので4月26日の日銀のメッセージというのは少なくとも円安は日本、日銀のプライオリティではないという。だから「私たちは円安を気にしてません」というメッセージを出してしまったので、多分訂正されないと思うが、訂正されない限りはこの流れが止まることは難しいと思う。ただ、もちろんどこかにポイントはあると思う。だからこれを盛り上げてる人たち、つまり実需のドル買いと投機筋というのはどこかに、利確ポイントはある。もうこうなったら諦めて、口先介入もしないで放っておいた方がいいと思う。ただ、その危険性はコントロール不能な状態に陥る可能性がある。日本は通貨危機を体験していないからわからないが、最後の方に何が起きるかというと1日で10円ぐらい上がったりする。そういうことをずっとポンポンと上がって暴落状態になる。それがセリング・クライマックス(下落相場の最終局面で、出来高や売買代金を伴って大幅に株価などが値下がりすること)になって通貨危機になり、緊急利上げで終わる。つまりそういうことまで日本当局が想定しているかというと多分想定していない。でも警戒はした方がいい。僕はこういうことを(出身の)トルコでいっぱい見てきた。だから4月26日のほぼ3円ぐらい、2日で上がっているので、少し前兆のような気がする。だからこれは、はっきり言って介入するポイントをもう超えてしまった。ここで介入して失敗したらなおさら、調子に乗ってしまう(はずみがついてしまう)。180円位までいってしまう。だから介入はしないで利上げを匂わせた方がいい。放っておいて少しずつ利上げを匂わす。するとどこかで多分止まる。下手に介入して失敗したら、もう上にいく(円安が進む)。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
いま介入しても効かないのでは。

エコノミスト・為替ストラテジスト エミン・ユルマズ氏:
効かないというのと、もう1つはドルロングしたいけれど介入が怖いから入れない人たちがいる。この人たちが152円からずっと待っている。介入の怖さがあるから逃してしまった。逆に介入が1回入って下がったら、みんな「待ってました」といって、また一斉に入る。
もう1つ、新NISAは定期的に外株買いが起きている。だから新NISAの外株に上限を設けなかったのは少し失敗だったかもしれない。

――そこに制限が確かにない。特に新NISAスタート当初は、S&P500であったり、オールカントリーが注目されてしまった。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
株を買いたい人は、どこの株をどれだけ買おうが自由。為替のために円安を回避するために外国株買うのを制限するというのは間違えていると思う。為替が円安になったという面では確かにマイナスの影響出たのかもしれないけど、でも投資家は自由だ。

エコノミスト・為替ストラテジスト エミン・ユルマズ氏:
本当はそこがポイントではなく、元々の金融政策で円安の流れを作るべきではなかった。