AI・半導体ブームはどこまで続くのか。エコノミスト・為替ストラテジストのエミン・ユルマズ氏を特別ゲストに迎えて聞いてみた。
――今後の日経株価に影響に与える、AI・半導体ブームはどこまで続くのか。

エコノミスト・為替ストラテジスト エミン・ユルマズ氏:
何事も大体「理想相場」が1回盛り上がって下がって、今度は「実績相場」になるのでAIというのは今「理想相場」。実際の利益がまだ出てない。利益出そうな感じはあるが、まだ出ていない。この間、Metaの決算説明会も聞いていたが、ザッカーバーグ氏が50回ぐらい「AI」と言っていたが、どうマネタイズするかというのは具体的には言わない。よって今のAI株の盛り上がりは「理想相場」。1回落ち着くと思う。今バブル化しているので1回落ち着いて、次に本当にマネタイズが始まったときには次の相場が来る。ITバブルと一緒だ。
当時もいろんなものが「インターネット」と盛り上がって1回バブルが崩壊して下がってその後でも、GoogleとかAmazonは「実績相場」が来て、また上がっていった。だから1回落ち着くと思う。状況的には今バブっている。
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
5月のNVIDIAの決算あたりがターニングポイントになりうるかもしれない。
エコノミスト・為替ストラテジスト エミン・ユルマズ氏:
NVIDIAも昨日どこかで読んだが、雇用をフリーズしているといっている。もう雇用をこれ以上やらないということはもう成長しないといってるようなもの、もしくはもう十分、人を雇ったからしばらく成長は大きく続かないといってるようなもの。ただウォールストリートの予想とかはあてにならないから、わざと低めに出して絶対に予想を上回るようにしてる気がする。
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
AIブームといっているけれど、僕もAIバブル、ミニバブルだと思う。バブルというのはいつまで続くか、どこで終わるかなんてわからない。2024年の年内いっぱい続くのかもしれないし、それこそもう5月でターニングポイントになるかもしれない相場だと思う。
エコノミスト・為替ストラテジスト エミン・ユルマズ氏:
「理想相場」だと思う。ただ天井をうった可能性もある。
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
そこでやはりAIと半導体というものは区別して考えなくてはいけない。AIに関しては、いまエミン氏が話したように「これでどうやって儲けるの?」と、実はまだ具体的なものがいっぱいあるわけではない。でも半導体というのはAIの会社が必要としている「道具」。実際NVIDIAの作っている「道具」がものすごい高い値段で、馬鹿みたいに売れている。半導体会社の多くは儲かると思うが、AI会社が儲かるのかどうかということだ。そこがまだ「絵に描いた餅」といったら言い過ぎだが、ちょっと期待が高すぎるという気はする。