1ドル=158円台に突入 政府日銀 円買い介入は?

――日本時間の4月26日の夕方から27日の朝にかけて介入があるだろうと思ったが、なかった。

バンク・オブ・アメリカ 主席日本FX金利ストラテジスト 山田修輔氏:
介入がないこと自体がもうニュース。いろいろ理由はあるだろうが1つは、かなり長期戦になると思うのであまり低い水準で介入し始めると、防衛できないリスクを考えた可能性がある。

――財務大臣に「コメントがない」と言われるともう手がないみたいな感じがする。

バンク・オブ・アメリカ 主席日本FX金利ストラテジスト 山田修輔氏:
先週、先々週と海外投資家を回っていたが、今は日本に構造的な赤字があってそれに加えて日米の金利差が、なかなか縮まらないだろうという感じになってきている。ドルを買いたくてたまらない、円売りをしたいと。ただ為替介入のリスクがあるので、ドルを買うのを控えていた。それが155円を超えても(介入)する気配がないので、そこでもう円売りのマグマが解き放たれた感じ。160円でも防衛がないとスルスルといってしまうリスクが非常に大きい。

――来週の予想で、上値は159円80銭までいく可能性があると。

バンク・オブ・アメリカ 主席日本FX金利ストラテジスト 山田修輔氏:
そこまで試しにはいくとは思う。どこで介入があるかというポイントになってきて、おそらく160円は防衛ラインではないか。そこまでは来週超えていかないと思う。

――介入やった場合に、どれぐらいの規模で、どれくらいやれば効果があるのか?

バンク・オブ・アメリカ 主席日本FX金利ストラテジスト 山田修輔氏:
難しい。2022年は3回。大きいのを2発やって米金利の上昇が止まったので事後的に見ると押さえられた。(結局その時は130円ぐらいまで押し戻した)はい。ただ今回、性質が違って金利の上昇は激しくないが、金利差が開いていて縮まない限りは、円安が続くという見方になっている。ということはFRBが利下げを始めるのは、2024年の年内にできるかできないかという話であと6か月ぐらいある。以前と同じような介入をやると、市場参加者にとっては良い水準でドルを買えるので、あまり効かない。

――ちょっと下がれば、ドルを買いに行く人がいっぱい入ってくると。

バンク・オブ・アメリカ 主席日本FX金利ストラテジスト 山田修輔氏:
じわじわとよりも少額のものを頻繁にしつこくやる介入じゃないと効かないと思う。おそらく総額でいうと、2022年9兆円ぐらい使っているが、今の状況が変わらなければその額は超えていかなければいけないと思う。

――イエレン米財務長官が4月25日に「為替介入は稀に過度な変動があった場合にのみ、事前協議して行われる」と釘を刺すかのような発言をしている。

バンク・オブ・アメリカ 主席日本FX金利ストラテジスト 山田修輔氏:
だから難しい場面ではある。ただ一般論としてはこの通り言うしかない。アメリカも今、少しインフレに苦しんいる。ドル安政策には転じられない。ただ日米韓3者の財務大臣会合は終わっていて介入自体のハードルはそこまで高くないと思う。ただしつこくずっと(介入を)やっていくっていうことになると、将来的には米債を売らなければいけないリスクも出てくるので、通貨外交をしっかりやっていく必要性は非常に強い。

――アメリカとは話はついているが、続けるためにはまだまだ通貨外交の努力が要るという見方か。

バンク・オブ・アメリカ 主席日本FX金利ストラテジスト 山田修輔氏:
はい、そう思います。