アイリスオーヤマ 大山社長に聞く 価格転嫁・円安・脱中国の課題は?

売上1兆円を目指すアイリスオーヤマの大山社長に、日本企業が直面する課題を聞いた。

――価格転嫁。値上げの難しさとは?

アイリスオーヤマ 大山晃弘社長:
できる商品と難しい商品にはっきりわかれている。家電は難しい。まだまだデフレマインド。安くていいものを買う客は多い。ただ食品や消耗品というものは日々必要なもの。これが値上がりしてしまったら仕方がないと許容の幅が大きい。

――加速する円安については?

アイリスオーヤマ 大山晃弘社長:
非常に厳しいと思っている。日本の価値がどんどん下がっている。企業としてもコストアップに繋がる。大企業を中心にベースアップ等の賃上げが進んでいるが、その賃上げ効果が全部打ち消されてしまって消費者の所得が伸びないとなればどんどん日本国内が貧しくなっていく。ここまで過度な円安は日本にとってメリットがない。何とかしてほしい。

――経済安全保障の概念も入ってきた。サプライチェーン 脱中国の対応は?

アイリスオーヤマ 大山晃弘社長:
今は中国にある工場を日本にそのまま持ってくることは難しい。直接持ってくるのではなく、日本国内に業態転換した投資をしようということで、今、国内では盛んに米の工場、そして水の工場を建設している。投資の国内回帰と呼んでいて中国への投資金額は控えていって、日本国内に投資をしてチャイナプラスワンという形でASEANから商品の供給を受けるようシフトしている。