なぜ?いま? アイリスオーヤマがロボット事業に注力する理由とは?

――最近、ロボット事業に力を入れている理由は?

アイリスオーヤマ 大山晃弘社長:
今は日本国内一番の問題は少子高齢化、人口減で労働者不足が非常に顕在化してきている。
ロボットに対する需要が今非常に伸びているので、今これは参入のチャンスだろうと、市場がさらに今後、日本、世界で大きくなるだろうと捉えて新規参入した。

アイリスオーヤマ 大山晃弘社長:
こちらは「BROIT(ブロイト)」。水をまいて、吸い上げて、汚水を溜めておくロボット。今までも業務用の水拭きロボットはあったが、結構水残りがあった。特に食品を扱う小売店は汚い衛生問題が起きるので、掃除残りがないようにした。

この水拭きロボットは、月額6万円のサブスクリプションサービスで、小売店や飲食店を中心に販売する計画だ。

――BtoB(法人向け)掃除ロボの意味は?

アイリスオーヤマ 大山晃弘社長:
BtoBだと使われる環境が限定できて、メンテナンスも従業員の方がいるので、ちゃんとしてもらえると。我々、基本的には「ロボットを売るより、サービスを売る」と考えている。トラブルが起きたときもすぐ駆けつけるし、効率的な使い方をサポートする。そのために稼働率やロボットの状況をモニタリングして顧客に提案している。売り切りよりはサブスクの方が継続的なサービスもできる。

2023年、アイリスオーヤマのロボット開発に強力なメンバーが加わった。東京大学出身で、Googleの元エンジニアの小倉崇さんだ。アイリスオーヤマは小倉さんのベンチャーを買収し、ソフトウェアとハードウェアの全てを自社で製造できる体制を構築した。

シンクロボ 小倉崇社長:
我々ベンチャーだと自分たちで量産・保守・広い販売を自分たちの力だけでやり切るのは非常に難しい。我々ベンチャーに足りないところを、アイリスオーヤマが補ってくれる。ロボットのような今までやったことない商品でも恐れずに取り組んでいこうっていうところがあったので、是非一緒にやりたいと思った。

アイリスオーヤマ 大山晃弘社長:
やはりソフトウェアが一番重要なもの。今ソフトウェアを全て外注しているので、会社に残る付加価値というのがあまり大きくない。これを内製化することで、まずは社内に取り込んでいきたい。なおかつAI・ソフトウェアは海外で作られることが多いから、日本国内に付加価値を残す狙いもある。

――サービスロボット(掃除・配膳)累計出荷1万台。次の目標は?

アイリスオーヤマ 大山晃弘社長:
2027年までに10万台を出荷したい。(今までの10倍か)はい。売り上げは1000億を目指している。

――今、1兆円企業を目指していて、目標額の10分の1はロボットで稼ぐということか?

アイリスオーヤマ 大山晃弘社長:
はい、そうなる。できると思っている。

――ロボット事業は大山さんが社長になってからの事業だが、どういう思いで?

アイリスオーヤマ 大山晃弘社長:
企業活動は社会課題の解決のためにあると考えている。ロボットというのはその最適解になるのでは。

アイリスオーヤマは、これまでも社会の課題を解決し、成長に繋げてきた。

アイリスオーヤマ 大山晃弘社長:
こちらは「サービィ」という配膳ロボットで飲食店中心に使ってもらっている。

顔認証で非接触のゲートや、アルコールチェッカーも開発した。